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【プロセッサーレビュー】⑤AGOでE-6現像にリベンジ!

  • Kazuyoshi Kawasaki
  • 2 時間前
  • 読了時間: 4分

 前回のE-6現像では、テストを兼ねたとはいえ23年前に期限切れしたリバーサルフィルムを使ってしまいお粗末な結果に終わってしまい申し訳ありませんでした。今回は仕切り直しということで、「FLIC FILM Chrome 100」(入手して日がたっておりExp:05/25と約1か月程期限切れしてます)というカラーリバーサルフィルムで撮影したものを「AGO FILM PROCESSER」(以下、AGO)にてE-6現像を行います。


 何やら怪しいパッケージ&聞いたこともないフィルム名かもしれませんが、カナダのFLIC FILMという会社がKodak E100Dをリスプールしたものです。フィルムケースはプラ製、フィルム後端はテープ留めされており、きちんと36枚撮れます。かわうそ商店さんで取り扱っていますので、廉価なポジフィルムとしてオススメです。


 前回の経験を生かし、E-6のカスタムプログラムを見直しました。

 第一現像後の水洗を2回にして、リールからフィルムを外さずとも発色現像に第一現像の薬液を持ち込まないようにしています。また、定着後の水洗不足を避けるため、こちらも2分x2回温水による水洗をプログラムしました。

 

 AGOのカスタムプログラムにおいて、2点ほど留意することに気がつきました。 


★留意点

①温度設定は1℃単位でのみ設定可能(つまり0.5℃などの設定はできない)

②時間補正機能を生かすためには現像時間(第一&発色)を「E-6-シネスティル D6」(40℃) or 「E-6-アリスタ」(41℃)のいずれかを選択(任意の温度設定はできない)


 ②に関しては、カラーケミカルごとにそれぞれ独自の補正グラフがあり、AGOはこれに基づいてプログラムされているためです。よって、予め登録されているケミカルであれば、最適な時間補正機能によって適正なフィルム現像を行うことができる証左でもあります。

 上記の2点は、自家調合&独自手法を行う私にとっては不向きなことではありますが、市販品を使う一般の自家現像家にとってはメリットでしょう。ただし、登録されているプログラムのケミカルは国内で一般的かというとそうではないのが気になります(何せエストニア製)。しかし、AGOも道具の一つなので、自身の経験の積み重ねなどで使いこなしていく必要があるとも言えます。


 さて、今回も前置きが長くなりましたが、上記のような留意点を踏まえ、現像&漂白時間はタンク現像の10%減とし、時間補正対応の「E-6-シネスティル D6」(40℃)としました。


 第一現像中の液晶表示に、残り時間表示(大きな数字:04:20)の上に、小さな数字(+02:19)と表示されていますが、これが時間補正機能による加算時間です。

温度計表示は”36℃”とあるので、設定温度40℃から大きく下がっているため、第一現像は長くなりました。タンク内を薬液で満たさないため、設定温度より高め(1~2℃)にして薬液を注入した方が良さそうです。


 発色現像でも同様に時間補正が効くことがわかります。


漂白(BLEA)でも同様に液晶表示されました。


 ちなみに排水する水洗水は、第一現像では黄色、発色現像では赤色、漂白後は薄黄色と、それなりに着色されているため、後段への影響を少なくするためにも、水洗回数を最低2回は挟んだ方がよいでしょう。


 さぁ、いよいよご開陳(この瞬間がもっとも心臓に悪い)。


 リールを取り出すと、うっすらとカラーの像が見え、ひとまず胸をなで下ろしました。

 ちなみにリンス直後では、カラーリバーサルとは思えない沈んだ色味で失敗かと思われるかもしれませんが、乾燥するとリバーサルらしい美しい発色になりますので、ご心配なく。ひとまず、クリップでフィルムをつるして乾燥させます。


 乾燥後にフィルムをスリーブに入れライトボックスに載せて、さぁ鑑賞会の始まり~!


 普段からデジタイズはしていないため、ライトボックスの上からGR IIIのマクロモードで撮影したコマを2点掲載します。

 仕上がったリバーサルフィルムをライトボックスに載せてルーペで覗くと、撮影した際の光景がより美しく描き出されているので、デジタイズより断然オススメです。

 モノクロフィルム現像に比べ、誰もが温度管理や行程の多さから敬遠しがちなカラーリバーサルの自家現像ですが、このAGOがあれば温度管理の煩雑さから解放され、自分自身で撮影した光景を拾い取りあげられるという、とても感動する体験が得られます。そして、皆でカラーリバーサルを使うことで、手が届かなくなりつつあるポジフィルムの値段を少しでも下げるようにしませんか?


 

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 レビューさせてもらっている、パターソンタンクとリール2個付きの日本国内正規版となります。しかも、現在は発売記念価格となって、通常価格よりお得になっています。私の周りでもすでに2名ほど購入の決意を固めたれている方がいます。


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Kazuyoshi Kawasaki

 
 
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